コントローラーの真円度誤差とは:スティック外周テストの読み方
真円度誤差はコントローラー全体の品質点数ではありません。外周の形、測定範囲、再現性を使って入力の特徴を調べる方法を紹介します。

スティックの真円度テストは、外周に沿って倒したとき、入力が各方向へどこまで届くかを描きます。円、角の丸い四角形、切り取られたひし形、ゆがんだ輪などに見えることがあります。真円度誤差の割合は、その軌跡のばらつきを表しますが、コントローラー全体の品質点数ではありません。物理的な可動域、ファームウェア、ドライバー、ブラウザの正規化、中心のずれ、測り方、ゲーム側の制限処理が影響します。
ブラウザが受け取る値
Gamepad APIは、軸とボタンの値を配列で公開します。標準マッピングでは、2本のスティックは通常4つの正規化された軸に対応します。ただし、すべての機種、OS、ドライバーが同じ経路で生のセンサー値を届けるわけではありません。
NexusArcのテスターは、校正した中心のずれを差し引き、X・Yの値を半径と角度へ変換します。そして72個の角度区間ごとに最大半径を記録します。単に手を動かした順番を描くのではなく、到達した外周の輪郭を作る仕組みです。
外周の軌跡を作る手順
- スティックに触れず、中心の値を繰り返し測って平均します。
- 以後の測定点から中心のずれを差し引きます。
- 各点のX・Y座標を半径と角度に変換します。
- 角度を72個の区間のいずれかへ割り当てます。
- 区間ごとに観測した最大半径を保存します。
- 十分な測定値が入った区間の割合をカバレッジとして示します。
- 測定済みの各区間と外周の平均半径を比較し、真円度誤差を求めます。
全方向に近い範囲を測り、ゆっくり何周か回して同じ形になるほど、結果を判断しやすくなります。

必ずしも真円になるとは限らない
スティックの周囲の開口部は円形、八角形、四角形に近い形などで、内部のストッパーも可動域に関わります。ファームウェアが出力を正規化し、ドライバーが斜め方向の大きさを制限し、ゲームがさらに半径方向の補正を行う場合もあります。経路が異なる以上、ブラウザ上の完全な円が共通の設計要件とはいえません。
輪郭に多少のゆがみがあっても、全周で安定して0.95〜1.00に届けば問題なく使える場合があります。逆に円がきれいでも、中心のドリフト、細かな揺れ、ボタン不良、別の箇所で生じる遅延は残り得ます。
誤差率より先に測定範囲を確認
半分の角度区間しか測れていなければ、誤差率も不完全な輪郭についての数値です。外周に軽く触れながらゆっくり回してください。速すぎると区間が抜け、力が一定でなければ端の位置も変わります。
テスターは一定のカバレッジに達するまで、範囲テストが未完了であると表示します。都合のよい数方向だけで低い誤差が出ることを、良い結果と誤解しないためです。
最小外周半径と最大半径
最小外周半径(Minimum edge)は、測定済み区間の外周半径のうち最小の値です。特定の方向だけ届きにくい状態を探せます。最大半径(Maximum radius)は、記録した最も遠い点を表し、通常の正規化範囲を超えた出力も見つけられます。
差が大きい理由には、実際の左右差、四角形に近い正規化、外周へ十分に倒していないこと、中心の校正不足などがあります。結論を出す前に繰り返しましょう。
真円度誤差が大きくなる理由
- もともと円形にならない可動域や出力設計。
- 特定方向だけ期待する範囲に届かない。
- 中心校正が不十分、または校正中に触れた。
- 回す間、外周に接していなかった。
- ブラウザやOSによる正規化の違い。
- 入力変換ソフトや応答設定による変更。
- 機構の摩耗、損傷、汚れ。
このテストが示すのは調べるべき傾向です。数値だけで物理的な原因を特定することはできません。
ゲームへ影響する場面
外周までの届き方は、最大移動速度、ステアリング、カメラの回転速度、円形メニューなどで重要になります。他方向は1.00まで出るのに1方向だけ0.75なら、外側デッドゾーンで補正されない限り、その方向だけ移動や回転が遅くなる可能性があります。
最大まで正確に倒す必要が少ないゲームでは、小さな外周の差より、中心の安定性や照準を微調整する領域の応答が重要な場合もあります。中心付近の除外と外周の拡大を区別するには、デッドゾーン設定ガイドを参照してください。
四角い軌跡が必ずしも不良ではない理由
入力経路によっては、斜めの半径が上下左右より大きくなり、丸い四角形や四方向に膨らむ軌跡になります。平均的な円との差を測る式では誤差と呼びますが、出力が安定し、ゲーム側で適切に制限されていれば問題とは限りません。円からの偏りと故障は別の概念です。
2台を公平に比較する手順
- 同じPC、ブラウザ、接続方法、テスターの版を使います。
- 入力変換ソフトと独自の応答設定を無効にします。
- 両スティックに触れず中心を校正します。
- 同じ速さでゆっくり回します。
- 左右両方向へ数周ずつ回します。
- 全方向に近い範囲を測ってからレポートを保存します。
- 代表値だけでなく軌跡の形も比較します。
- 疑わしい方向を使う実際のゲームでも確認します。
スティックドリフトとの違い
ドリフトは中心付近で生じる意図しない入力です。真円度は外周の形を表すため、片方に問題があっても他方は正常な場合があります。ドリフトの診断ガイドでは、中心の安定性、戻り方、ソフトウェア設定を確認してから修理を考えます。
入力遅延との違い
真円度は入力点の位置を、遅延は入力が届いて画面に現れるまでの時間を表します。ブラウザの軌跡から、操作から表示までの全遅延は測れません。時間の経路は、有線とBluetoothのコントローラー遅延ガイドで別に説明しています。
結果の読み取り方
全周の測定、再現性、明らかに欠ける方向を優先してください。真円度誤差は、ドリフト、揺れ、最小外周半径、最大範囲、トリガー、ボタン、ゲーム中の挙動と併せて見る指標です。役に立つコントローラーの条件は、出力が安定して予測でき、使うソフトに必要な範囲を満たすことです。
ソース
- Gamepad APIの仕様World Wide Web Consortium
- Gamepad APIの使い方MDN Web Docs
- GameInputGamepadState構造体Microsoft Learn
